好きと得意を考える

社会人として20年弱働いて来て、色々と思うところのある仕事と「好き」と「得意」の関係です。たいていの人にとって仕事は人生の大半を占める重要な柱の一つで、仕事とどう付き合うかがQOLを決めると言っても過言ではないと思います。そこで私が考える仕事との適正を以下に簡単にまとめてみました*1

得意 苦手
好き ◎ 天職 △ 憧れ・下手の横好き
嫌い ○ 意外な才能 × 苦行
  1. 好きかつ得意なこと(天職):これを仕事にできたあなは最強です。好きだからそれに時間や労力を費やすことを惜しまないでしょうし、得意なので努力すればその分結果もついてきます。社会的な評価や報酬も十分期待できるでしょう。
  2. 好きだけど苦手なこと(憧れ・下手の横好き):好きだけど得意ではない、その才能がないことは単なる憧れと言えそうです。これを仕事に選んでも結果が出ないので、周りからの評価は期待できません。頑張っても成果がでないし、評価もされないのでだんだんと嫌いになっていくかもしれません。
  3. 嫌いだけど得意なこと(意外な才能):興味がなかったりむしろ嫌いなのに人よりもうまくできてしまうので、あなたの気持ちとは裏腹に評価される結果になります。あなたの気持ちと周りからの評価や期待にconflictが生じてしまいますが、仕事と割り切るなど自分の中で整理を付けることができれば、うまく付き合っていける可能性があります。
  4. 嫌いで苦手なこと(苦行):運悪くこれを仕事にしてしまうとあなたは嫌いで苦手なことに人生の大半の時間を取られてしまうことになり、文字通り苦行と言えるでしょう。

*1:あくまで個人的な見解です。当てはまらないケースもあるでしょうし、現実にはもっと様々なケースが存在するでしょう。

ジニ係数

経済学だけでなく最適化など色々なところで顔を出すジニ係数ですが、ウィキペディア*1によるとローレンツ曲線を参照せずにジニ係数を定義すると、

{ \displaystyle G= \frac{1}{n} \left( n+1-2 \left( \frac{ \sum_{i}^{n} \left( n+1-i \right) y_i}{ \sum_{i=1}^{n} y_i}\right) \right) }

とあって求め方も色々あるようですが、一番簡単そうな台形の面積を使って確認してみました。

 

ローレンツ曲線の上側、下側の面積をA、Bとすると、A+B=0.5より

{ \displaystyle G= \frac{A}{A+B} =2A=1-2B }

ですので、Bの面積を求めればよいですね。

 

今非負の離散量{ \displaystyle y_i \geqq 0}をn個観測しているとします。

また、

 { \displaystyle S =\sum_{i=1}^{n} y_i }

とすれば、

 { \displaystyle 1=\sum_{i=1}^{n} \frac{y_i}{S}  }

ですね。

 

Bは高さ{ \displaystyle \frac{1}{n}  }の台形が横にn個並んでいることになるので、その面積の合計として、

  { \displaystyle B =  \frac{y_1}{2nS} + \frac{ y_1 + \left(y_1+y_2\right) } {2nS} + \frac{ \left(y_1+y_2\right) + \left(y_1+y_2+y_3\right) }{2nS}+... }

 { \displaystyle +\frac{\left(y_1+y_2...+y_{n-1}\right) + \left(y_1+y_2+...+y_n\right)}{2nS}  }

 { \displaystyle = \frac{2y_1+ 2 \left(y_1+y_2 \right)+... +2 \left(y_1+y_2+...+y_{n-1}\right)+\sum_{i=1}^{n} y_i}{2nS} } 

 { \displaystyle = \frac{y_1+  \left(y_1+y_2 \right)+... + \left(y_1+y_2+...+y_{n-1}\right)+\sum_{i=1}^{n} y_i-\frac{1}{2}\sum_{i=1}^{n} y_i }{nS} } 

 { \displaystyle = \frac{ ny_1+  \left( n-1 \right) y_2 + \left( n-2 \right) y_3+... + 2y_{n-1} + y_n-\frac{1}{2}S }{nS} } 

 { \displaystyle = \frac{ \sum_{i=1}^{n} \left( n+1-i \right) y_i }{nS} -\frac{1}{2n} } 

となります。これを、

{ \displaystyle G=1-2B }

に代入すると、

{ \displaystyle G=1- 2\left( \frac{ \sum_{i=1}^{n} \left( n+1-i \right) y_i }{nS} -\frac{1}{2n} \right) =1-  \frac{ 2\sum_{i=1}^{n} \left( n+1-i \right) y_i }{n \sum_{i=1}^{n} y_i} +\frac{1}{n}  }

{ \displaystyle = \frac{1}{n} \left( n+1-2 \left( \frac{ \sum_{i=1}^{n} \left( n+1-i \right) y_i}{ \sum_{i=1}^{n} y_i}\right) \right) }

ですね。

これを整理すると、

{ \displaystyle G=\frac{2\sum_{i=1}^{n} iy_i}{n\sum_{i=1}^{n} y_i} - \frac{n+1}{n}  }

こんな感じですね。

ポートフォリオのリターン

投資資産の集まりをポートフォリオと言います。株と債券に投資しているなら、それらを合計した資産全体をポートフォリオと言います。

 

証券投資の話をするなら最初にポートフォリオのリターンの話が出てくるので、LaTexの練習がてら書いてみましょう。

 

t-1からtまでの1期間(1日とか1ヶ月とかと考えてください)の証券(資産)iのリターンを{\displaystyle R_i}、ある時点tの時価総額{ \displaystyle M_{i,t}}とすると、

{ \displaystyle R_i = \frac{M_{i,t}-M_{i, t-1}} {M_{i,t-1}} = \frac{M_{i,t}} {M_{i,t-1}}}-1

と定義することができます。

 

また、ある証券iの時点tの時価総額{\displaystyle M_{i,t}}とし、証券をn個保有するポートフォリオを考えると、その時価総額{\displaystyle M_{p,t}}は、iからnまでの{\displaystyle M_{i,t}}の合計なので、

{\displaystyle M_{p,t}= \sum_{i=1}^{n} M_{i,t} }

ですね。

 

証券iのリターンと同様にポートフォリオのリターンを、

{ \displaystyle R_p = \frac{M_{p,t}-M_{p, t-1}} {M_{p,t-1}} = \frac{M_{p,t}} {M_{p,t-1}}-1}

とします。

{ \displaystyle R_i = \frac{M_{i,t}} {M_{i,t-1}}}-1より、

{ \displaystyle M_{i,t}=M_{i,t-1}(R_i +1) }なので、

{\displaystyle M_{p,t}= \sum_{i=1}^{n} M_{i,t}= \sum_{i=1}^{n} M_{i,t-1}(R_i+1) }から、

{ \displaystyle R_p = \frac{M_{p,t}} {M_{p,t-1}}-1 = \frac{\sum_{i=1}^{n} M_{i,t-1}(R_i+1)} {M_{p,t-1}}-1 }

{ \displaystyle= \frac{\sum_{i=1}^{n} M_{i,t-1}R_i + \sum_{i=1}^{n} M_{i,t-1}} {M_{p,t-1}}-1 = \frac{\sum_{i=1}^{n} M_{i,t-1}R_i } {M_{p,t-1}} }

 

ここで期初(t-1)時点の証券iの保有比率(ウェイト)を、

{\displaystyle W_{i}= \frac{M_{i,t-1}}{M_{p,t-1}}}とすると、

{ \displaystyle R_p  = \sum_{i=1}^{n} W_iR_i }

となり、ポートフォリオのリターンは保有証券(資産)の(期初)ウェイト×(期間)リターンで簡単に表現できることが分かりました。

 

ウェイトとリターンとベクトルで表現すると、

{ \boldsymbol{W} = \left( \begin{array}{c} W_1\\ W_2\\ \vdots\\ W_n \end{array} \right) , \boldsymbol{R} = \left( \begin{array}{c} R_1\\ R_2\\ \vdots\\ R_n \end{array} \right) }

とかけるので、ポートフォリオのリターンは

{ \displaystyle R_p  = \boldsymbol{W^T}\boldsymbol{R}  }

とベクトル{ \displaystyle \boldsymbol{W} }{ \displaystyle \boldsymbol{R} }の積による内積スカラー)として表すことができました。

 

{ \displaystyle \boldsymbol{W^T} }{ \displaystyle \boldsymbol{W'} }などとも書いて、転置ベクトル(ベクトルの縦と横をひっくり返したもの)を表します。ファイナンスの参考書などを読んでいると、ベクトルは高校の時に習う矢印のついた{ \displaystyle \vec{a} }ではなく、太字で書かれていることが多いので、突然出てきても戸惑わないようにしましょう。

 

とりあえず、ポートフォリオのリターンが定義できたので今日はこれくらいで。